フロン・化学物質管理

フロン・化学物質管理

ホシザキでは、より環境に配慮した製品をお客様にお届けするために、製品に含まれる有害物質削減に取り組み、欧州RoHS指令などをはじめとする法規制に適合した製品づくりを進めるとともに、冷媒・発泡剤のノンフロン化に取り組んでいます。

※国際的な環境基準で、特定有害物質(鉛、六価クロム、カドミウム、水銀、ポリ臭化ジフェニルエーテルなど(他5物質)の使用を制限するための欧州連合(EU)の指令。

ノンフロン化に向けた基本的な考え方

業務用冷蔵庫などでは、庫内の温度を下げる冷媒用と断熱材の発泡剤用の2種類のフロンが使用されてきました。従来、特定フロン(CFC:クロロフルオロカーボン)であるR12、R502を冷媒として、R11を断熱材の発泡材として使用していましたが、1990年代より順次代替フロンへの切り替えを実施。さらに2000年代からは、代替フロンとして使用していたHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)をオゾン層破壊係数がゼロのHFC(ハイドロフルオロカーボン)に切り替えました。しかし、HFCはCFC、HCFCと同様に強い温室効果をもたらすことから、ノンフロン化への移行が求められています。
2015年4月から施行されたフロン排出抑制法では、フロン類の製造から廃棄までのライフサイクル全体での包括的な対策が定められ、製品メーカーは使用フロン類による環境影響度の低減に取り組むことが定められています。当社ではGWP(地球温暖化係数)の高い冷媒フロンを低GWPの冷媒に切り替えるための研究開発を進めています。

フロン排出抑制法の詳細

断熱材のノンフロン化

断熱材の発泡剤として使用されるフロンについては、製品の環境性能の向上を図るうえでの課題のひとつととらえ、技術革新を進めてきました。
当社では、2007年に、発泡剤にシクロペンタンを採用しノンフロン化したテーブル形冷凍冷蔵庫・ビールショーケースの生産を開始しました。2012年度には、この断熱材のノンフロン化手法をタテ形冷蔵庫にも展開し、温室効果ガスの排出削減を実現しています。
さらに、2020年8月には、すべての発泡剤のノンフロンへの切り替えが完了しました。

※ 現在、世界的にノンフロン原材料が不足しており、やむを得ず一時的に一部の製品についてフロンを用いた発泡剤を使用しております。

冷媒のノンフロン化

国内において、2023年5月に普及価格帯の自然冷媒※1業務用冷蔵庫・冷凍庫68種類の発売を開始、2024年末までには自然冷媒冷蔵庫・冷凍庫をフルラインナップ化し、その後もすべての冷機器の自然冷媒化を促進しています。製品のライフサイクルでのGHG排出量削減につながり、環境負荷低減に大きく寄与します。
すでに、ホシザキグループでは海外市場において約74万台の自然冷媒対応の製品出荷実績※2があり、その実績とノウハウをもって、日本のお客様の脱炭素への取り組みに貢献すべく自然冷媒製品の拡充とサービスの強化に努めています。

*1 自然冷媒とは、自然界にもともと存在する物質を使って冷凍用や空調用の冷媒に使用できる物質です。オゾン破壊係数(ODP、Ozone Depletion Potential)がゼロ、かつ、地球温暖化係数(GWP、Global Warming Potential) が非常に低く地球に優しい冷媒です。

*2 2009~2022年の北米・欧州・アジア・アフリカにおける自然冷媒製品(製氷機、冷蔵庫、ネタケース、飲料保存用ヴィジクーラーの販売台数)

フロン排出抑制法への対応

冷凍冷蔵機器や空調機器の冷媒として利用されているフロンガスは、大気中に放出されるとオゾン層を破壊したり、CO2よりはるかに大きな温室効果があることが知られています。日本では、2015年4月に「フロン排出抑制法」が施行されており、フロン利用機器の定期・簡易点検やフロン漏えい量などの報告が義務づけられています。
ホシザキは工場や事務所内で対象となるフロンガス利用機器をピックアップし、管理台帳(記録)を作成して、機器容量に応じた定期・簡易点検、整備を実施し、フロンガス漏えい防止に取り組んでいます。CO2換算で1,000t以上のフロンガスの漏えいが生じた場合には、法令に基づく報告が必要となりますが、ホシザキにおける2023年度の漏えい量は、報告を要する値未満となりました。

自然冷媒化宣言