総合フードサービス機器メーカーであるホシザキ株式会社(本社:愛知県豊明市、代表取締役社長:小林靖浩)は、ノンフロンの環境負荷が小さい自然冷媒※1を採用した製品ラインナップを拡充します。既に自然冷媒化を完了した業務用冷蔵庫標準機、一部の製氷機・冷蔵機器に加え、製氷機「チップアイスメーカー」など4製品群66機種をモデルチェンジし、冷媒を自然冷媒へ転換します。2025年12月中旬より順次、ホシザキの全国15の販売会社を通じて販売します。
ホシザキは業界リーダーとして、日本市場において、世界で広がる自然冷媒の採用を牽引し、グローバルで競争力のある製品開発を進めていきます。バリューチェーン全体で地球温暖化ガス排出量削減、環境負荷低減に取り組むお客様への、さらなる貢献を目指します。

今回発表製品の旧モデルでは冷媒ガスとして、代替フロンのR134aまたはR404Aを使用しています。二酸化炭素と比較してどれだけ地球温暖化に影響するかを示す地球温暖化係数(GWP)は1430(R134a)、3920(R404A)です。新製品で使用するノンフロンの自然冷媒はイソブタン(R600a)、プロパン(R290)で、GWPはそれぞれ<1(1未満)、0.02です(※2)。旧モデルと比較し、GWPは99パーセント以上減少となり、地球温暖化影響が大幅に小さくなります。
| 製品カテゴリ | 機種数 | 日産製氷能力 | タイプ※3 |
|---|---|---|---|
| チップアイスメーカー | 6機種 | 60kg~300kg | アンダーカウンター、スタックオン |
| フレークアイスメーカー | 3機種 | 120kg~340kg | アンダーカウンター、スタックオン |
| チップアイスディスペンサー | 16機種 | 70kg、115kg | ディスペンサー |
| 製品カテゴリ | 型名 | 日産製氷能力 | 外形寸法(幅×奥行×高さ) | 標準価格(税別) |
|---|---|---|---|---|
| チップアイスメーカー | CM-100M | 100kg | 600×600×800mm | 114万5000円 |
| フレークアイスメーカー | FM-120M | 120kg | 600×600×800mm | 104万3000円 |
| チップアイスディスペンサー | DCM-115M | 115kg | 350×585×815mm | 118万3000円 |
| 機種数 | 型名 | 日産製氷能力 | タイプ※3 | 外形寸法(幅×奥行×高さ) | 標準価格(税別) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1機種 | IM-230P | 230kg | バーチカル | 700×670×1590mm | 154万円 |
| 機種数 | 幅 | 奥行 |
|---|---|---|
| 28機種 | 900mm~2100mm | 薄型/厚型 |
| 型名 | 外形寸法(幅×奥行×高さ) | 標準価格(税別) |
|---|---|---|
| CT-120SNJ | 1500×600×800mm | 111万2000円 |
| 機種数 | 幅 | 奥行 |
|---|---|---|
| 12機種 | 900mm~1200mm | 薄型/厚型 |
| 型名 | 外形寸法(幅×奥行×高さ) | 標準価格(税別) |
|---|---|---|
| RSC-120F | 1200×650×1890mm | 119万1000円 |
1: 自然冷媒とは、自然界にもともと存在する物質を使って冷凍用や空調用の冷媒に使用できる物質です。オゾン層破壊係数(ODP、Ozone Depletion Potential)がゼロ、かつ、地球温暖化係数 (GWP、Global Warming Potential)が非常に低い、地球に優しい冷媒のことです。
2: GWPは、二酸化炭素(CO2)を1とした場合に、その温室効果ガスの温暖化の大きさを表した数値です。
GWP値出典[GWP値]:
代替フロン:
R134a[1430]、R404A[3920]:令和5年経済産業省・環境省告示第3号
自然冷媒
・ イソブタン(R600a)[<1]:2018 Report of the Refrigeration, Air-Conditioning and Heat Pumps Technical Options Committee(2019年2月発行)
・ プロパン(R290)[0.02]:気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書(AR6)(第1作業部会報告書2021年8月発行)
・ イソブタン(R600a)、プロパン(R290)のGWPは、国連環境計画(UNEP)の「OzonAction Kigali Fact Sheet 3」(2017年公開)では3、世界気象機関(WMO)(国連の専門機関)の「Scientific Assessment of Ozone Depletion: 2022」(2022年10月発行)では「<<1」(1より非常に小さい)
3: ・ バーチカル:氷が簡単に取り出せるストッカー(貯氷、取り出し)が一体になった縦長のタイプ ・ アンダーカウンター:天板を調理スペースとして使用できる高さ800mm前後のタイプ
・ スタックオン:製氷ユニット、スリーブ(貯氷)、ストッカー(貯氷、取り出し)の組み合わせができ、導入後も拡張性の高いタイプ
・ ディスペンサー:ボタンやセンサーで機器が自動で氷や水を抽出するタイプ
4: ケルビン(K) は国際単位系(SI)の基本7単位の一つで、温度(熱力学温度)の単位。0℃=273.15Kで、1℃の上下はケルビン単位でも1Kの上下となります。
■ホシザキグループの自然冷媒化への取り組み
ホシザキグループは、代替フロンからノンフロンへの冷媒転換にあたり、人類が作り出した物質ではなく、自然界にもともと存在する物質である自然冷媒を積極的に採用しています。業界に先駆けて業務用自然冷媒冷蔵庫を開発し、海外では2009年より、国内では2022年8月より受注生産製品を、2023年5月より普及価格帯の製品を、発売してきました。ホシザキグループとして、これまで世界で累計238万台※5の自然冷媒製品を発売しています。日本では冷凍回路を搭載した製品の自然冷媒化率を2024年度末の46%から2027年度末87%へ増やすことを目指しています。
■代替フロンからの冷媒ガス転換の動向
代替フロンは、オゾン層は破壊しないものの、二酸化炭素(CO2)と比較して地球温暖化係数(GWP)が数十倍から一万倍超(環境省フロン排出抑制法ポータルサイト)と非常に高い温室効果ガスです。このため、国際的に代替フロンからノンフロンへの転換要請が高まっています。2016年10月、ルワンダのキガリで開催された締約国会議において「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」(1989年1月発効)が改正され、代替フロンにも生産および消費量の段階的削減義務が課されました(キガリ改正)。キガリ改正は、現在、169の国(EU含む)が批准・受諾・承認しています(国連サイト2025年11月11日付)。
日本では、2018年12月にキガリ改正を受諾、2019年には、オゾン層保護法にて代替フロンも規制対象に追加され、フロン排出抑制法が改正されています。さらに、「地球温暖化対策計画」(地球温暖化対策推進法に基づく政府の総合計画)における代替フロンの排出削減目標(2030年度に2013年度比55%削減)の達成に向け、製品に使用するフロン類の環境影響度の低減を含む、フロン類のライフサイクル全般にわたる対策が推進されています。
自然冷媒を使った家庭用冷蔵庫は、日本を含め世界で年間1億台※6生産され、これまで推定8億台以上※6が使用されています。2020年には全世界の新しい家庭用冷蔵庫生産の推定約75%※6が自然冷媒に切り替わっています。
5: 2009年~2024年のグローバルにおける自然冷媒製品(製氷機、冷蔵庫、ネタケース、ヴィジクーラー(飲料保存用))の販売台数
6: 国連環境計画(UNEP)RTOC Assessment Report 2022による
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