プレスリリース

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プレスリリース 2023年12月20日

ホシザキ、機器をIoT化し、管理・作業の効率向上を支援

Wi-FiモジュールとSaaSで導入しやすく

総合フードサービス機器メーカーであるホシザキ株式会社(本社:愛知県豊明市、代表取締役社長:小林靖浩)は、業務用冷蔵庫などの機器にWi-Fiモジュールを取り付け、稼働・温度データをクラウドサーバで管理する新サービス(SaaS※1)「ホシザキ コネクトWi-Fi」を、2024年1月5日より販売会社を通じて国内で提供開始します。初期費用ゼロ※2で機器のIoT化を実現し、お客様の効率的な運営を支援します。

  • サービス概念図

お客様は、インターネット経由で、ホシザキが独自に開発したSaaS上から、いつでも、どこからでも、パソコン、タブレットなど、どのデバイスからでも、複数の場所の複数の機器の稼働状態と温度をリアルタイムで確認、管理、記録できるようになります。各機器に取り付けるWi-Fiモジュールの無償提供・設置により、初期費用ゼロを実現しました。サービス料金は機器1台あたり月額1,000円(税別)、接続できる機器の数は最低1台からで上限はありません※3。お客様は、「ホシザキ コネクトWi-Fi」上で、ユーザ数、閲覧・管理権限、アラート通知の条件、機器が発するエラーの通知先などを自由に設定できます。

サービス対象は、販売済み製品を含む、ホシザキの業務用冷蔵庫などの主要製品で、順次追加していく予定です。他社製品でも温度管理であれば別機器の取り付けで対応できます。

IoT化で一括管理やHACCP※4対応のメリットが見込まれる、スーパー、コンビニ、外食チェーンなど複数の店舗や施設を管理するお客様、病院、給食、ホテルなど大量調理を行う施設、物流拠点などでの導入を目指します。

■ Wi-FiモジュールとSaaSの組み合わせで導入障壁を低減

ホシザキでは既に、HACCPの概念に基づく厚生労働省の大量調理施設衛生管理マニュアルに沿った温度管理のサービスとして「ホシザキスマートバンド」「ホシザキスマートバンド クラウド」を提供しています。しかし、いずれも初期費用が掛かること、および、専用ルーターの設置や有線配線が必要であることが課題でした。

「ホシザキ コネクトWi-Fi」は、Wi-Fi環境があれば設置先の通信配線工事が不要、かつ、初期費用ゼロのため、お客様はより導入しやすくなります。加えて、温度だけでなく、機器の稼働状態も管理できるようになります。

■ 実証実験で得られたビッグデータをもとにソフトウェアを改善

ホシザキは本サービス開始に先駆け、お客様の現場で稼働中の当社の業務用冷蔵庫、スチームコンベクションオーブンなど、約1,700台にて2022年9月より実証実験を行っています。

実証実験で得られたビッグデータや結果をもとに、故障の未処置による不十分な温度制御や過剰な電気代の抑制などにつなげられるように、ソフトウェアを改善しています。実験では、閉店後の冷蔵庫の高温異常の通知による食品ロス・食中毒の危険回避、各種帳票の自動作成による業務負担軽減など、お客様に大きく貢献できることがわかりました。

■ ホシザキ コネクトWi-Fiの導入メリット
一括管理で効率的な機器運用を支援

複数の店舗や施設を管理するお客様では、組織全体としての機器稼働状態の把握により、効率的な運用につながる一括管理が可能になります。たとえば、従来は実際の機器の表示を見ないとわからなかった、機器が発するエラーを、遠隔から確認できるようになります。冷凍庫・冷蔵庫などでは温度設定が低いほど電力消費が高くなるため、店舗・施設間での設定温度のバラつきを確認・管理し、より電力効率の高い温度設定を現場に提示できます。

自動記録で手作業を省力化

  • 帳票作成画面イメージ

食に関連する事業者には、法律により義務化されている書類作成があります。フロン排出抑制法によるフロン点検帳票作成に加え、2021年6月からは改正食品衛生法によりHACCPに沿った衛生管理実施状況の記録および保存が義務付けられました。これらは手書きや手入力で対応されていることが多く、業務負担が大きくなっています。

「ホシザキ コネクトWi-Fi」の導入によって、手書き、手入力で行っていた温度帳票およびフロン管理点検票の作成に代えて、画面上のボタンをクリックするだけで表計算ソフト形式の書類を自動作成でき、作業を省力化できます。

稼働データから故障可能性を検知し、お客様要望により対応

ホシザキの技術知見により故障の可能性のある数値を設定し、自動検知できるシステムとしました。稼働データはホシザキにも共有されるため、お客様の要望に応じて、故障発生時の迅速な対応や、パッキン劣化などのお客様が気づきにくい故障の改善提案などを行えます。お客様からの訪問要請の際には、データにより状態を事前把握できるため、これまで現場で状態を確認後に再度訪問修理を行っていた場合も、一度の訪問で修理完了できるなど、より早い対応が可能になります。

ホシザキは、本サービスを、従来の保守サービスを拡充する新しいビジネスと位置づけています。将来的には蓄積データの解析にAIを活用することなども視野に、DX※5の推進による新しい価値の提供とサービス拡大を図っていきます。

※1 Software as a Serviceの略で、サービス事業者が提供するソフトウェアを、インストール無しで、インターネット経由で利用できるサービスのこと。

※2 導入先にインターネット接続できるデバイスおよびWi-Fi環境があり、かつ、中継器が不要の環境下において、サービス対象の当社の各機器に取り付けるWi-Fiモジュールを無償で提供・設置し、初月の利用料金を無料とすることとして。

※3 ホシザキ側でデータ取得可能な機器数として。各設置先での設置可能数はWi-Fiルーターの仕様によります。)

※4 Hazard Analysis and Critical Control Pointの略。厚生労働省によると、「食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法です。この手法は 国連の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関である食品規格 (コーデックス) 委員会から発表」

※5 デジタルトランスフォーメーションのこと。経済産業省の「デジタルガバナンス・コード2.0」では「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されています。

自然冷媒化宣言