スペシャルトーク
ホシザキの技術、その未来とは?
ホシザキの開発責任者が語る、技術開発とものづくりへの想い。
製氷機や業務用冷蔵庫で高いシェアを誇るホシザキ。しかし今、その姿は「フードサービス機器メーカー」という枠を超え、「食」を支える技術企業へと大きく変わり始めています。人手不足、食品ロス、衛生管理など複雑さを増す社会課題に、どのような技術で応えていくのか。そして、その先にどんな未来を描いているのか。1990年の入社以来、開発・設計の最前線から部門運営までを歩み、現在は技術開発全体の方向性をリードする開発部門の執行役員が、これからのものづくりへの想いを語ります。
プロフィール
単なる製品ではなく、現場の課題解決を届ける。
当社は、製氷機や冷蔵庫といったフードサービス機器を通じて、長年「食」の現場を支えてきました。そして今、深く関わってきた飲食業界は、大きな転換期を迎えています。人手不足や人材の定着、食品ロス、衛生管理など、店舗運営を取り巻く課題は年々複雑さを増しています。
なかでも大きなテーマが、人手不足への対応です。人が集まらず開業を断念するケースや、少人数運営による負担の増加から離職につながるケースも増えています。そうした現場に対し、私たちは「技術で人を支える」という視点から製品開発を進めてきました。
たとえば食器洗浄機も、そのひとつです。単に食器を洗うだけでなく、洗浄から搬送までを自動化することで、洗い場の負担を大きく軽減しています。飲食店で働く人の多くは、「料理をつくりたい」「接客をしたい」という思いを持っています。だからこそ、負担の大きい作業や単純作業を製品が引き受け、人にしかできない仕事に力を注げる環境をつくる。それが私たちの目指すものづくりです。
そしてもうひとつ徹底しているのが、「現場で本当に役立つか」を追い続ける姿勢です。開発した製品は、実際の使用環境で何度も試験を重ね、耐久性や安定した性能、作業のしやすさといった要素を一つひとつ検証し、改良を積み重ねていきます。さらに、全国の営業やサービス担当から集まる運転データや現場の声も開発に反映する。こうした地道な積み重ねこそが、業界で高いシェアを持ち続けられる理由だと考えています。
「冷やす」技術を、その先へ進化させる。
ホシザキの大きな強みのひとつが、「冷やす」技術です。近年では、この強みをさらに伸ばすため、急速凍結技術の研究開発に力を注いでいます。急速凍結が進化したことで、食品のおいしさや品質を保ったまま保存できるようになり、病院や介護施設、社員食堂などでも冷凍食品の活用が広がっています。計画的な調理や省人化が進み、食品ロスの削減にもつながっています。
ただ、どれだけ優れた凍結技術があっても、解凍の工程で品質が損なわれてしまえば、本来のおいしさを届けることはできません。そこで最新のテーマとして取り組んでいるのが、「解凍」の技術です。
これまで解凍は、手間と経験が求められる、いわば職人技の領域でした。私たちはここに着目し、真空マイクロ波を応用した独自の解凍技術の開発を進めています。食品内部の温度ムラを抑えることで、経験や勘に頼らず、誰でも均一な品質を再現できる。人手不足が進むなかでも、省人化と品質維持を同時に実現できることは、他社にはない価値だと自負しています。「凍らせる」だけでなく「もとに戻す」ところまで含めて、冷やす技術の可能性は、まだまだ広がっています。
飲食業界の枠を超え、新たな領域へ挑戦する。
これまで当社は、飲食業界という領域でさまざまな課題解決に取り組んできました。しかし「食」という視点で見渡すと、そこには生産、加工、流通、保存、提供といった数多くの工程があります。培ってきた技術を活かし、そのすべてに関わっていきたい。そう考えています。
実際、事業領域はすでに病院、高齢者施設、スーパーマーケット、食品流通など、いわゆる“飲食外”の分野へと広がり、今では国内の売上の半分以上をこうした分野が占めるまでになりました。
技術の面でも、AI・IoT・クラウドの活用が進んでいます。機器の運転状況をクラウドで一元管理し、温度データの自動記録や異常の通知を行うサービスを展開。たとえば衛生管理の国際基準であるHACCPでは冷蔵庫の温度管理記録が求められますが、これを自動化することで現場の負担を大幅に減らしています。
さらにこの先は、省エネルギーや自然冷媒への転換といった環境配慮技術、そしてロボティクスによる省人化や遠隔管理へ。フードサービス機器単体の性能向上にとどまらず、データ活用を軸とした「厨房全体の最適化」へと、技術の領域を広げていきます。社会や現場の課題が変われば、求められる技術も変わる。これまで培ってきた技術を軸にしながら、新しい技術や領域に臆せず挑んでいく。その姿勢もまた、ホシザキらしさのひとつだと思っています。
挑戦を後押しする環境で、製品づくりに深く向き合う
私たちが大切にしているのは、「まずやってみよう」という姿勢です。ホシザキには、若手でも率直に意見を伝えられ、新しいことに挑戦できる風土があります。研究開発や設計だけでなく、工場、営業、サービスなど多くの部門と関わりながら製品づくりを進めていくため、周囲と協力しながら前向きに行動できる人にとって、力を発揮しやすい環境だと思います。
そして、ホシザキのものづくりの醍醐味は、一人ひとりが製品と深く関われることにあります。当社の開発設計部門では、製品開発の一部分だけを担当するのではなく、企画から設計、試作、そして量産まで、ひとつの製品に最初から最後まで一貫して携わります。開発の全工程を見通しながら進めるからこそ、製品の細部まで自分の頭で考え抜き、自らの判断やアイデアを直接かたちにしていくことができます。そうして深く関わった製品が、実際に店舗や施設で使われ、「これ、便利だね」と声をかけてもらえる。その手応えを、すぐ近くで感じられます。技術者として、これ以上やりがいのある瞬間はそうそうありません。
ホシザキで、新しい未来を切り拓く。
ものづくりが好きな人はもちろん、「自分の仕事が誰かの役に立っている実感を持ちたい」「新しいことに挑戦したい」という人にとって、ホシザキには大きな可能性が広がっています。学んできた専門分野が違っていても、心配はいりません。
私たちが何より大切にしているのは、変化を楽しみながら、前向きに挑戦し続ける姿勢です。
フードサービス機器メーカーという枠を超え、「食」を支える技術企業へ。時代の変化を取り込みながら、ホシザキの進化はこれからも続いていきます。その挑戦の先に、ぜひあなたの力を貸してください。