やげん堀 江戸時代から続く七味唐辛子のルーツ

江戸のソバ屋で広まった!?

 昔ながらの風情が残る浅草。新仲見世通りを歩くと地元の人や観光客が次々と入っていく店がある。七味唐辛子の名店「やげん堀」だ。トウガラシが日本に伝わったのは16世紀ごろで当初はトウガラシをひいただけの一味が使われていた。七味は今から約380年前の寛永2年に、初代からし屋徳右衛門が江戸の薬研堀で漢方薬にヒントを得て売り出した。江戸庶民に人気だったソバに合うことから七味はたちまち江戸の町に広がったのだという。

七味特有の風味で魅了

 「やげん堀」は今も江戸時代の調合を守っている。トウガラシは生に近い辛いものと煎ったものの2種、そこに黒ゴマ、陳皮、粉山椒(こさんしょう)、けしの実、麻の実をバランスよくブレンド。厳選された素材と高い焙煎(ばいせん)技術から生まれる七味唐辛子は色鮮やかさとともに、豊かな風味が特徴だ。浅草の店舗では目の前で好みに合わせて調合してくれるほか、おいしい使い道もいろいろと教えてくれる。意外と知られていないのがその保存方法だ。湿気に弱い七味は容器に少しずつ移し替えて使い、残りは袋のまま涼しい場所に保管するのがいいという。焼き魚や肉料理、お鍋など、食卓におかれた七味をひとふりするだけで、いつもの料理が香り高くグレードアップする。さて、今夜はどんな料理に使ってみようか。

やげん堀 やげん堀 新仲見世本店 東京都台東区浅草1-28-3
TEL 03-3841-5690
10:00~19:00 無休
http://yagenbori.jp/

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