カラクナイトウガラシついに参戦!辛さ至上主義に宣戦布告!

辛さで人を驚かせるのは、
時代遅れ!とばかりに名乗りを上げた
KNT軍団。「辛くない」だけじゃない。
見る者に強烈なインパクトを与え、魅了する。
古都で育まれた伝統の魂が今、トウガラシ界に一石を投じる。

万願寺とうがらし

超ヘビー級、トウガラシ界のキング

 「これがトウガラシか!?」京都・錦市場に並ぶその姿を見て、観光客から驚きの声があがった。全長15cmのジャンボサイズ、かなりの肉厚で普通のトウガラシとは一線を画す。万願寺とうがらしは、舞鶴市の出身。同じく京の伝統野菜である伏見とうがらしと大型ピーマンとの交雑種と言われるが、ルーツは定かでない。その風貌からとても辛そうに見えるが、別名「万願寺甘とう」とも言われ、マイルドな味わいで子どもでも食べられるのが特徴だ。「川政兄弟商会」の野川邦夫さんによると、食べごたえもあり、夏の京野菜の中では人気ナンバーワンという。そのおいしさに全国でファンが増え続けている万願寺とうがらしは、まさにキングの名にふさわしい風格とやさしさを備えている。

ちゃちゃっとおばんざい 万願寺とうがらしの塩こんぶ炒め
●材料(2人分)
・万願寺とうがらし…2~3本
・塩こんぶ…適量
・かつおぶし…適量

つくり方をチェック

●つくり方
万願寺とうがらしを1cmくらいの斜め切りにして油で軽く炒めます。火を止める直前に塩こんぶ、かつおぶしを混ぜ合わせればできあがり!

紫とうがらし

変身!灼熱イリュージョン

紫とうがらし

 KNT陣営の中でも異彩を放つ、紫とうがらしは、その名の通り高貴なパープルスキンを身にまとう。しかし、ひとたび熱を浴びれば、薄黄緑色に姿を変え、相手を惑わせるという不思議なワザを持つ。「身近な野菜なので、色が変わることに驚きはない」。奈良市の農業家・辰己直大さんが話してくれた通り、地元では百年以上の歴史があるなじみの伝統野菜だ。しかし、農家の自家消費用に栽培されていることが多く、ほとんど市場には出回らないレアな品種でもある。収穫量が安定せず、また手間もかかることから栽培量を増やすのが難しいのだ。それでも絶えることなく、地元の人たちに愛され続けている、まさにご当地ファイターと言えよう。


色が変わる瞬間を見よ!


ナスのような紫色はブルーベリーなどにも含まれるアントシアニンという色素によるもの。