息づかいまでまるごと、ペンギン体感!

海遊館

取材日
2015.3.23

どんなところ?

  • 太平洋を模した展示でアジアNo.1を獲得した水族館

    太平洋を模した展示で
    アジアNo.1を獲得した水族館

    世界最大級の口コミサイトTripAdvisor®の「トラベラーズチョイス™ 世界の人気観光スポット2014~動物園・水族館編~」で、日本&アジアで第1位、世界で第13位を獲得した海遊館。“地球は一つの生命体である”というガイア仮説に基づき、太平洋の環境を再現した展示水槽で、さまざまな生き物を飼育しています。

  • 生き物たちの日常を目と鼻の先で体感

    生き物たちの日常を
    目と鼻の先で体感

    2013年3月に新設された「新体感エリア」のテーマは“生物多様性~生命と環境~”。「北極圏」「フォークランド諸島」「モルディブ諸島」の3つの地域の環境を再現し、生き物を目と鼻の先で観察できる体感型の展示を行なっています。フォークランド諸島水槽では、11羽(2015年3月末現在)のイワトビペンギンが飼育されています。

  • 南極を再現した環境で暮らす3種類のペンギンたち

    南極を再現した環境で暮らす
    3種類のペンギンたち

    常設展示の南極大陸水槽では、オウサマ(キング)ペンギン、ジェンツーペンギン、アデリーペンギンの3種類のペンギンが暮らしています。水槽内の気温は0℃~3℃、水温は10℃に設定してあります。また、降雪装置を用いて人工的に雪を降らすことで、南極とその周辺の環境を再現しています。

飼育員さんに聞いてみよう!ペンギン密着情報

Interview

ハイライト

  • ペンギンたちの生態をもっと近くで感じてもらうために

    ペンギンたちの生態を
    もっと近くで感じてもらうために

    これまでにない体感型の展示を試みた海遊館。イワトビペンギンの行動を間近に見て、その魅力や生態をもっと感じてもらうために、飼育スタッフはさまざまな工夫を凝らしています。

  • 仕切りをぎりぎりまで低く設定

    仕切りをぎりぎりまで低く設定

    イワトビペンギンを飼育する新体感エリアの「フォークランド諸島」水槽では、アクリルパネルの高さをぎりぎりまで低く設定しています。ペンギンとお客様を完全に仕切らないため、水槽内の温度やペンギンのにおい、鳴き声をナマで感じられます。じつはイワトビペンギンは、海遊館で飼育している4種類のペンギンの中で一番気性が荒い種類です。手を入れるとつつかれてケガをすることがあるので、注意しなければいけません。

  • イワトビペンギン脱走事件!?

    イワトビペンギン脱走事件!?

    彼らは岩場をピョンピョンと登る習性から「イワトビペンギン」という名がつけられています。その行動を見せたいという思いから、水槽の中のレイアウトは立体的な擬岩造形になっています。オープンした当初はイワトビペンギンの動き方が僕たちの想像を超えていて、想定外の場所から水槽の外に逃げてしまうこともありました。いまは改修工事を行いながら、さらに魅力的な展示を目指しています。

  • 体重測定に爪きり…こまめに健康チェック

    体重測定に爪きり…
    こまめに健康チェック

    1羽ずつエサを食べた量をはかったり、足の裏をケガしていないか調べたり、週に1回体重測定をしたりと、こまめに健康管理を行なっています。命をあずかる仕事なので当たり前のことですが、いつもこまかくチェックしています。飼育されているペンギンは動きが少ないため、爪がほとんど消耗されません。必要以上に伸びてしまうことがあるので、定期的に調べて爪きりを行なっています。

  • 目指すは展示水槽の繁殖

    目指すは展示水槽の繁殖

    フォークランド諸島水槽にいるイワトビペンギンは「ミナミイワトビペンギン」という種類です。このペンギンは国内飼育羽数が減少傾向にあり、展示が難しくなりつつあります。海遊館では展示水槽と予備水槽の2カ所でペンギンの繁殖に取り組んでいて、展示水槽では岩のあいだに巣を作れる環境を用意しています。また、人工授精に向けた研究も進めています。

  • ニセモノのタマゴを温める

    ニセモノのタマゴを温める

    南極大陸水槽で飼育しているオウサマ(キング)ペンギンについても、積極的に繁殖に取り組んでいます。親鳥は産卵後にタマゴを水中に落としてしまうことがあるので、僕たちはオウサマがタマゴを産むとすぐにニセモノのタマゴとすり替えます。本物は孵卵器に収容し、ヒナがかえったら親鳥に返します。その際、かえることができないヒナもいるので、僕たちがカラを割ることがあります。親鳥がうまく育てられない場合は、代わりに子育てもします。

  • 日本最高齢のジェンツーペンギン

    日本最高齢のジェンツーペンギン

    南極大陸水槽は、気温を0℃~3℃、水温を10℃に設定してあります。現在はオウサマ(キング)ペンギンが25羽、ジェンツーペンギンが12羽、アデリーペンギンが9羽と、たくさんのペンギンを飼育しています。水槽内では、演出効果として降雪装置で人工雪を降らせています。また、この水槽内には日本最高齢のジェンツーペンギンが4羽います。まだ繁殖にからんでいるので、これからも大事に飼育していきたいと思っています。

  • 水中給餌で運動不足解消

    水中給餌で運動不足解消

    南極大陸水槽では週に2回、月曜日と金曜日に水中給餌を行なっています。ふだん開催しているお食事タイムでは陸上でエサを与えているので、ペンギンたちはどうしても運動不足になってしまいます。また、海水から摂取するミネラルなどの栄養素も不足しがちになります。水中でエサやりを行うことで、ペンギンたちの運動不足が解消され、同時に栄養素を摂取させることができます。

  • もしかしたらケガをしてしまうかも…

    もしかしたらケガをしてしまうかも…

    フォークランド諸島水槽では、いままでにない展示手法をとったので「ほんとうに飼えるのか」「この水槽でうまく繁殖するのか」「もしかしたらケガをしてしまうかも」など不安なこともたくさんありました。ですが、いまでは11羽のうち4ペアが形成され、産卵もしています。僕たちが心配していたことを、ペンギンたちはあまりストレスに感じなかったのかな、と思います。すぐに環境に順応してくれたので、とてもありがたかったです。

  • 繁殖から子育てまで、ペンギンの1年を体感できる展示に

    繁殖から子育てまで、
    ペンギンの1年を体感できる展示に

    新体感エリアは“お客様に楽しんでいただくこと”を最優先の課題として作りました。一方で、生き物にしてあげられることは、まだまだたくさんあると思います。とくにこれからは人工授精の研究と、フォークランド諸島水槽内での繁殖に努めたいと思っています。生き物だけを見るのではなく、暮らしも含めて見てもらうことで、1年を通した生態を感じてもらえる展示にしていきたいですね。

まだまだPick Up!

  • くっついて離れない♪仲良しのアデリーペンギン親子

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  • 飼育スタッフの目線で水中給餌を擬似体験!

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  • 一生懸命エサを食べるイワトビペンギンのヒナ

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  • カラをとって孵化(ふか)を手助け

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  • Q. 足だけで見わけられる?

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  • 冬空の下でオウサマペンギンが大行進

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  • ペディキュアをするペンギンたち

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  • 「文句あるんかいな」ドスをきかせる男前ペンギン

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  • ぐだ~っと身を寄せて甘えてるのかな?

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  • おクチぱっくり!「ゴハンちょーだい」

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  • 足でアタマを掻く…こんなスゴワザ見たことない!

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