インタビュー:食べる人もつくる人も笑顔になれるお絵描き弁当。宮澤 真理お弁当アーティスト2003年から毎日の季節の移り変わりや、うれしかったこと、小さな発見をお弁当に描いて「食べる人もつくる人も楽しくなるお弁当」を提案中。2007年からは食材を使ったストップモーションアニメーションとその表現の幅を広げ、お弁当のつくり方などを配信する動画サイト「e-お弁当作っちゃいました!TV」を開設。好評を博している。

お絵描き弁当をつくり始めたきっかけは?

お弁当をつくり始めた頃は本当にお料理が苦手で、
毎日お弁当をつくるうちにちょっと苦痛になってきたんですね。
そこで、お弁当づくりに何か楽しみを見つけようと、
お弁当のご飯をキャンバスに見たてて絵を描いてみたら、
なんとなく楽しかったことがきっかけです。
新しいお弁当をつくるたびに、どんどん楽しくなってきて、
早起きも苦じゃなくなりました。相変わらず、料理は苦手なのですが。
その時の思いや心に浮かんだことをお絵描きすると、
それはお弁当を食べる人へも伝わる…お手紙やメッセージみたいなものですね。
塾通いなどでお子さんとなかなか話のできないお母さんは、
コミュニケーションのきっかけづくりに
お絵描き弁当をつくってみるのもいいかもしれませんよ。

キャラクターづくりのポイントは?

身近な食材を使って、ストローや100円均一で売っている抜き型、
海苔用のパンチなど、お手頃な道具でつくれるように考えています。
凝ったお弁当を無理してつくるより、
毎日続けられるかんたんなキャラクターをつくるのがポイントです。
ご家族にだけ通じるお話が連載するように描かれているのもいいですね。
お弁当にキャラクターを2人並べて目の向きを合わせれば、
そこにはもうドラマが生まれます。
仲良しかな?ケンカ中かな?そんなことを想像しながら、
自分が楽しんでつくると、続きのお弁当をまたつくりたくなりますし、
そのお絵描きがきっかけで、ご家族の会話がはずむと素敵ですよね。

ブログや書籍、アニメーション制作など
幅広く活動されていますが、どんな反響がありますか?

どうやってアイデアを出すの?って聞かれることが多いのですが、
実はお弁当にご飯とおかずを詰めた時に
心に浮かんだ情景を描いているだけなんです。
試してみたら、お子さんが楽しみながら食べてくれて、
好き嫌いがなおった、なんておっしゃっていただくこともあります。
そんなお話を聞くと、とても幸せな気持ちになりますね。
難しく考えるよりもまずは楽しむことが大切!朝からご機嫌でいられます。
精巧につくる必要はなくて、自分流にアレンジしちゃうのが楽しむコツです。

今後チャレンジしたいことは何ですか?

お絵描き弁当のキャラクターを使ったストップモーションアニメに挑戦中です。
お弁当をただ写真に撮るだけじゃなく、
いろんな角度から見せたい!動かしたい!という思いが強くなったのがきっかけです。
始めたのは5年ぐらい前なんですが、今年から片道2時間かけて
東京芸術大学大学院映像研究科に通って、映像の勉強をしています。
アニメーションづくりは根気のいる作業も多くて大変なんですが、
実際にキャラクターたちが動き出すと、それまでの苦労もふっとんじゃいますよ。
また、お絵描き弁当のワークショップや、デモンストレーションも
続けていきたい活動のひとつ。食べる人もつくる人も楽しくなるお弁当づくりを
より多くの人に知ってもらえたらうれしいですね。
若い感性豊かな人たちや、ワークショップで出会うお子さんたちから、
私もとても刺激を受けています。
そんな皆さんに負けないように、新しい試みにチャレンジする毎日です。

  • 公式ホームページ「e-お弁当作っちゃいました!」http://www.e-obento.com
    公式ホームページ
    「e-お弁当作っちゃいました!」
    http://www.e-obento.com

  • 公式ホームページ
    「e-お弁当作っちゃいました! テレビ」
    http://www.e-obento.tv

  • タコさんウインナーと
    仲間たち
    (永岡書店)