Presented by HOSHIZAKI

ARCHIVE

知識・ノウハウ

冷凍食材の解凍方法を徹底比較|冷蔵庫・流水よりも真空マイクロ波解凍

2025.09.26
  • 解凍方法
  • 冷凍
  • 凍結
  • 真空マイクロ波解凍機

飲食・流通業界には、冷凍食材の解凍方法に悩んでいる方が多いのではないでしょうか。
解凍方法によっては、均一に解凍されない解凍ムラが生じ、うま味や栄養分が液体として流出するドリップも増えてしまいます
また、解凍に長時間かかってしまったり、解凍する作業者によって解凍具合に差が出たりと、さまざまな課題があります。
さらに、解凍後の見た目や食感を損なうこともあるため、適切な解凍方法を知り、選ぶことが大切です。
この記事では、解凍方法の種類を比較し、おすすめの解凍方法とおすすめできない解凍方法について、詳しくご紹介します。

解凍方法の種類と違い

まずは、主な解凍方法の種類と、それぞれの違いについて見ていきます。

 

自然解凍

自然解凍とは、食材を常温で解凍する方法のことです。
冷凍庫から取り出した冷凍食材を、ボウルやバットなどに広げて、自然に解凍されるのを待ちます。
ほぼ準備が不要で手軽な方法ですが、空気は熱伝導率が低いことが難点です。
解凍に時間がかかるだけでなく、冷凍食材の表面と内部で解凍具合に差が生じるため、解凍ムラやドリップの原因になり得ます

また、常温は菌の繁殖が抑制されづらい温度帯です。
冷凍食材のサイズや厚み、気温などによりますが、内部まで解凍される頃には、食材内外において菌が繁殖してしまっている可能性があります。
解凍完了後も放置してしまい食材がダメになってしまった話などもよく聞く話です。

 

流水解凍

流水解凍とは、蛇口から流す水によって解凍する方法のことを指します。
冷凍食材を、シンクに水を張った中や、シンク内に置いたボウルやバットに入れて、蛇口から水を当て続けることで解凍を促す方法です。
特別な道具や厨房機器がなくてもでき、水の熱伝導率は空気よりも高いことから、自然解凍よりも早く解凍できるのが強みです。

ただし、夏場と冬場で水温が違うため、一定の品質で解凍することは難しいでしょう。
特に夏場は、水温が30℃以上になる場合もあり、急激な熱ストレスを加えることで、解凍物の品質を低下させます。
冬場でも、長時間シンクに放置すれば、解凍が進み過ぎてしまう懸念があります。
また、あくまで冷凍食材の表面から解凍するため、解凍ムラやドリップが生じやすい点や、水を出し続けることで水道代がかかる点もネックです。

 

冷蔵庫解凍

冷蔵庫解凍とは、冷凍食材を、冷凍庫から冷蔵庫へ移して解凍する方法のことです。
庫内温度-20℃を下回る冷凍庫から、庫内温度3℃以上の冷蔵庫へと移動させることで、凍結した食材をゆっくり解凍します。
低温で時間をかけて解凍する分、解凍ムラは生じづらく、ドリップも出づらいというメリットがあります。
そのため、おいしさを保ちやすい解凍方法の一つといえるでしょう。

ただし、冷凍食材のサイズや厚み、量などによって、解凍までに十数時間や数日といった時間がかかることがあります
また、冷凍食材を冷凍庫から冷蔵庫へ移動させるため、冷蔵庫のスペースを長く占領してしまうことも、デメリットといえるでしょう。

 

氷水解凍

氷水解凍とは、氷水を利用した解凍方法です。
ボウルやバットに氷水を用意し、パック包装した冷凍食材を入れた状態で解凍します。
冷蔵庫解凍とほぼ同等の、低い温度で解凍することから、食材を傷めづらいのが特長です。
流水解凍と冷蔵庫解凍の中間ともいえる解凍方法で、解凍時間は流水解凍よりはかかるものの、冷蔵庫解凍よりは短く済みます。

ただし、それでも冷凍食材のサイズや厚みによっては、解凍に数時間かかることがあります
大量の冷凍食材の解凍には向かず、ボウルやバットを長く置いておける、十分なスペースも必要です。

 

温塩水解凍(ぬるま湯解凍)

温塩水解凍とは、温塩水という、塩分濃度を調整したぬるま湯を使った解凍方法です。
冷凍食材を、塩分濃度3%・40℃程度のぬるま湯に30秒~5分程度浸し、その後は冷蔵庫解凍に移るという手順を踏みます。
塩分の浸透圧で食材のおいしさが失われるのを抑えつつ、ぬるま湯により、表面温度をプラス温度帯へ素早く通過させています。
さらに、冷蔵庫解凍に移して段階的に解凍することで、冷蔵庫解凍と比べ早く解凍を進めつつ、解凍ムラやドリップを生じにくくしているのが特長です。

ただし、中心部は解凍前の冷凍温度に近い温度のため、内外の温度差が生まれ、ドリップが発生する一因は残ります
また、温塩水解凍は、過解凍を防ぐため、適切なタイミングで温塩水から取り出す必要があります。
そのため、作業者が、解凍具合を判断できる熟練の作業者に限られる点がネックです。
温塩水の塩分濃度や温度を調整する手間もあり、忙しい飲食店やスーパーにはそれほど向かない解凍方法といえるでしょう。

 

お湯で解凍

お湯で解凍とは、沸騰したお湯を使って解凍する方法のことです。
ボウルやバット、鍋などにお湯を用意し、冷凍食材を浸して解凍します。
高温のお湯を使用するため、急速に解凍できるという特徴があります。

しかし、冷凍食材の表面には、お湯によって熱が入ってしまうのが難点です。
特に生の食材であれば適切な温度での調理とならないため、おいしさは損なわれてしまうでしょう。
お湯の熱によって細胞が壊れてしまえば、ドリップの原因となります。
冷凍食材のサイズや厚みによっては、内部の温度は低いままで解凍ムラも生じることもあるため、実用的な解凍方法とはいいづらい側面があります。

 

加熱解凍

加熱解凍とは、加熱調理によって解凍する方法のことです。
冷凍食材を、熱したフライパンや鍋などに直接入れて、そのまま調理するように解凍します。
素早く解凍できますが、基本的にこの解凍方法で解凍できるのは、調理済みの小さな冷凍食材だけでしょう。
調理前の冷凍食材だと、適温で加熱できずにおいしさを損なってしまったり、解凍ムラやドリップが生じてしまったりします
また、調理済みの冷凍食材であっても、サイズや厚さによっては、表面が焦げるほどに解凍されているのに内部は凍結したままという、解凍ムラが生じることがあります。

 

解凍庫・解凍機で解凍

解凍庫や解凍機など、解凍専用の厨房機器を使った解凍方法もあります。

解凍庫は、温風や冷風などを利用し、食材のおいしさを保ったまま解凍する厨房機器です。
より高品質でスピーディに解凍できる、冷蔵庫解凍のようなイメージです。
解凍庫のサイズにもよりますが、大量の冷凍食材を仕込み前までに解凍しておきたいというような場合は、解凍庫が向いていますが、魚介類などの水分が多い食材の解凍には不向きです。

一方、解凍機は、マイクロ波や高周波、真空冷却などを活用し、より短時間でおいしい解凍を目指した厨房機器です。
冷蔵庫解凍では12~24時間かかるような冷凍食材も、解凍機であれば約20分で解凍できることがあります。
数キロ程度の冷凍食材を、食材に合わせて高品質かつ短時間で解凍したいという場合には、解凍機が向いています。

おすすめの解凍方法

では、上記の解凍方法を踏まえて、どのような解凍方法が良いでしょうか。
ここでは、おすすめの解凍方法について見ていきます。

 

短い時間で解凍したいときの解凍方法

短い時間で、できる限りおいしく解凍したい場合には、下記の4つがおすすめです。
 

  • 流水解凍
  • 温塩水解凍(ぬるま湯解凍)
  • 解凍庫で解凍
  • 解凍機で解凍

流水解凍は、空気よりも熱伝導率が高い水を使うため、解凍時間は短めです。
自然解凍より解凍を早めたい場合に、検討したい方法といえるでしょう。
温塩水解凍(ぬるま湯解凍)は段階を踏んで解凍する手間はあるものの、食材のおいしさを逃がしづらく、解凍時間は冷蔵庫解凍や氷水解凍よりも短く済みます。
解凍庫であれば、冷蔵庫解凍よりも短い時間で解凍が可能です。
解凍機での解凍は、マイクロ波や高周波、真空冷却などを駆使することで、解凍時間の短縮と食材のおいしさを両立できることから、よりおすすめできます

 

おいしさをより保ちたいときの解凍方法

おいしさをより保って解凍したい場合は、下記の4つがおすすめです。
 

  • 冷蔵庫解凍
  • 氷水解凍
  • 解凍庫で解凍
  • 解凍機で解凍

低温で時間をかけて解凍すると、解凍ムラやドリップなどが生じにくくなります。
そのため、基本的には、冷蔵庫解凍や氷水解凍など、低温での解凍を目指すのがおすすめです。
ただし、冷蔵庫解凍の場合、冷凍食材の表面から徐々に解凍が進みます。
そのため、先に解凍された表面に対し、依然凍っている内部から再凍結が起こり、氷結晶が育ってしまいます。
氷結晶が大きく育つと細胞が破壊され、ドリップの原因になることがあるため、必ずしも低温の解凍でおいしさを保てるわけではありません。
解凍庫や解凍機、特に後述する真空マイクロ波解凍機は、食材表面と内部の温度差が少ない解凍方式のため、再凍結による氷結晶が育ちにくくなっています。
冷凍食材の負荷を軽減でき、おいしさをより保てると期待できるため、解凍庫や解凍機を使った解凍はよりおすすめです。

おすすめできない、気を付けたい解凍方法

おすすめできない解凍方法や、気を付けたい解凍方法は、下記の3つです。 
 

  • 自然解凍
  • お湯での解凍
  • 加熱解凍

最もおすすめできない解凍方法は、自然解凍です。
解凍ムラやドリップが生じることはもちろん、菌が繁殖しやすい常温に長時間置いてしまうことが、飲食店やスーパーでは望ましくありません。
加熱に強い菌や、加熱に強い毒素が存在することから、食中毒の直接的な原因になることがあります。
また、お湯を使った解凍や、加熱解凍は、解凍ムラやドリップが生じやすい解凍方法です。
調理済みの冷凍食材を温める程度であれば良いですが、生の冷凍食材では食材のおいしさを損ないやすいため、おすすめできない解凍方法といえます。

おすすめの解凍方法 真空マイクロ波解凍

解凍ムラや解凍時間、ドリップ抑制などの悩みを解決できる解凍方法が、真空マイクロ波解凍です。
その解凍方法を実現できるのがホシザキの真空マイクロ波解凍機「HVM-8TA3-T」です。

 

解凍ムラが生じにくい

真空マイクロ波解凍機は、マイクロ波と真空冷却を組み合わせた真空マイクロ波解凍をおこなう、業界唯一の解凍機※です
真空マイクロ波解凍は、冷凍食材全体の解凍を促すマイクロ波の照射と、食材表面の真空冷却を交互におこないます。
それにより、冷凍食材の表面と内部で温度差が生まれづらく、解凍ムラを抑えることができます
また、冷凍食材の表面と内部がほぼ均一に解凍されるため、包丁の入りがスムーズです。
必要以上に力を入れずに切れるため、食材が崩れて見た目を損なうリスクや、手指を怪我するリスクを抑えられます。
※2025年5月13日現在、ホシザキ調べ。

 

ドリップが出にくい

真空マイクロ波解凍機は、加熱と冷却を交互におこなうことで、冷凍食材へのダメージを軽減しています
ドリップが出るのは、冷凍時と解凍時のいずれかのタイミングで、食材の細胞が壊れてしまうことが主な原因です。
真空マイクロ波解凍機は、解凍時に細胞の破壊を抑え、流水解凍や温塩水解凍でも生じていた食材へのストレスを軽減できます
色味や食感が損なわれず、食材そのままのおいしい状態を保ちます。
また、食材のおいしさを保つために複雑な操作も必要としません。
直感的に操作できるタッチパネル方式で、適切な解凍具合も真空マイクロ波解凍機が判断してくれます。

 

スピーディに解凍できる

真空マイクロ波解凍機は、解凍もスピーディです。
例えば、しらす1kgは冷蔵庫解凍で12~24時間ほどかかりますが、真空マイクロ波解凍機なら約20分で解凍できます
同様に、温塩水解凍なら切付けできる状態になるまで約2時間はかかるマグロ5kg(赤身さく。保管温度-40℃)も、真空マイクロ波解凍機なら約40分で解凍可能です。
冷凍食材を効率良く解凍できるため、開店前に解凍作業をまとめておこなう必要がありません。
売れ行きに応じて、必要な分だけ解凍することも可能になり、業務効率化につながります。

ホシザキの真空マイクロ波解凍機について、より詳しくはこちらからご確認ください。

 

まとめ

この記事では、さまざまな解凍方法とその違い、また、おすすめの解凍方法とおすすめできない解凍方法について、詳しくご紹介しました。
解凍方法によっては、解凍ムラやドリップなどが生じ、食材のおいしさを損なってしまいます。
そのため、解凍方法を理解し、自身の飲食店やスーパーに合ったものを選ぶことが大切です。

さまざまな解凍方法がありますが、特におすすめなのは、解凍機による解凍です。
食材のおいしさをキープしながら、短い時間で解凍できる解凍機は、飲食店やスーパーにぜひ導入したい厨房機器といえるでしょう。
特におすすめの解凍機は、ホシザキの真空マイクロ波解凍機「HVM-8TA3-T」です。
業界唯一のマイクロ波と真空冷却で、より食材のおいしさをキープしながら、短い時間で解凍できます。
真空マイクロ波解凍機「HVM-8TA3-T」が気になる方は、まずはテストキッチンでお試しください

お近くのテストキッチンについては、こちらからご確認ください。

CONTACT

WEBでのお問い合わせ・資料請求 カタログ・資料請求
電話でのお問い合わせ・資料請求

お近くの営業所検索