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一般に、サバといえばマサバのこと。青緑色をバックに波のような黒いしまもようが走る背中と、きらきら光る銀白色のお腹がポイントです。古くから日本の食卓で親しまれてきた魚ですが、魚のなかでもとくに鮮度が落ちるスピードが速いのが玉にキズ。いたみやすく、昔は生で食べることが難しい魚でした。
秋サバはサンマとともに秋の代表的な味覚。塩焼き、味噌煮(みそに)が定番です。おすし屋さんでは「しめさば」がおなじみ。「しめる」とは、塩や酢で肉を引きしめることで、この「しめかげん」が味を左右します。また同じ「しめさば」を使った押し鮨(ずし)、「バッテラ」の名は、「小舟」を意味するポルトガル語「バッテーラ」に由来するもの。黒船でやってきたペリーも、押し鮨にかたちのよく似たこの箱型の小舟に乗りかえて横浜に上陸したといわれます。
たとえば、実際よりも年齢や体重を少なく、または身長を高く言ってしまった…という経験はないですか?自分の都合のいいように数をごまかすことを「サバを読む」といいます。その語源はいくつかありますが、いちばん有力とされているのは、魚のサバを由来とするもの。サバの数をかぞえる(読む)ことからきています。いたみの早いサバは数も急いでかぞえなければならないので、結果的に数がおおざっぱになったため、そこから数をごまかすことを「サバを読む」というようになったそうです。
アメリカの大統領と音(おん)が同じということで話題になった福井県小浜(おばま)市は、古くから若狭湾(わかさわん)の海産物を京都へと運ぶ道すじの起点でした。その中心的な荷が塩サバだったことから、こんにち、この道すじは「サバ街道」とよばれます。とはいえ、交通や冷蔵・冷凍技術が発達したいま、「サバ街道」の出番はなし。遠くノルウェーの海でとれたサバが日本全国でおいしく食べられるまでに、時代は「チェンジ」してしまったのです。