口に入れたら爆発するよ!?
いやはや、辛いのなんの!極辛タバスコの50倍近くに達する究極のトウガラシだ。辛さランクではこれまで1位だったインド原産「ナーガ・バイパー」をブッチギってトップだ。ギネスブックにも認定されてしまった。このモンスターを開発したザ・チリ・ファクトリーのマルセルさんによると、「食べた瞬間はフルーツサラダみたいな味だ。でもその後で爆発するよ」。爆発って?「この辛さはマジでシビアなんだ。まるで地獄の炎で焼かれたように、舌がふくれてノドが燃え上がるんだ」。栽培されたスコーピオン・トウガラシ(正式名トリニダード・スコーピオン・ブッチT)は「サソリの一撃」という恐ろしい調味ソースになるのだが、この製造にはガスマスクに防護服が必要なほどの威力だ。


辛いにも
ほどがある
「スコーピオン・
ストライク・
ソース」
18豪ドル
辛さの決め手はミミズジュース!
どうしたらこんなに辛くなるのか?水のかわりにタバスコかけて育てるのか?そもそもトウガラシという品種は限りなく辛くなる能力を持っているらしい。その辛さをどうやって引き出すか、がポイントだ。フザリウムなどの菌による刺激も辛さが増す要因だが、マルセルさんたちが使ったのは「ミミズジュース」。ミミズの入った堆肥の中では短い時間のうちに繰り返し虫が生まれ、死んでゆく。堆肥の排水を与えることで、無数の虫の死がいがトウガラシの根にふれるため、「ワオ、虫に食べられてるぞ!」と錯覚するのだ。あわてたトウガラシは「もっと辛くなって、食べられなくしてやる!」と言わんばかりに辛さのもとになる物質(カプサイシン)をガンガン放出する。その結果、スコーピオンのようなトンデモ進化系が生まれるらしい。だったらもっと虫の死がいを増やしたら…。辛さの進化は止まりそうにない。