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編集後記 メイキング

 今回の撮影は静岡県浜松市にある「ぬくもりの森」※という場所で行いました。2011年、2012年、そして2013年のホシザキカレンダーの撮影でもお世話になっています。ペンギンとその仲間たちが住んでいるのは、やさしいおじいさんとおばあさんのお家。そのお家はヨーロッパの田舎の小さな村にあります。この設定にぴったりの場所を探して、何度も撮影にお邪魔しています。
ペンギンたちも2013年のカレンダー撮影で遠くへ出かける事が多かったので、お家に帰ってきた安堵感か終始リラックスムードでした。

さて、今回はその中の建物「モーターガレージミュージアム」で撮影です。ガレージの中にクラッシックカ―が置いてあり見てのとおり、自動車関連の道具や小物等であふれた“油臭く埃っぽい空間”ですがペンギンたちがほんとに歩きまわり、息づいている様子を再現するステージとして最高のロケーションになりました。

撮影は錆びたテーブルの上をベースにして、だいたい50から100cm四方の空間に彼らの表情やアクションを考えながら1人1人(匹?)立たせてゆくデリケートな作業です。まわりには素敵な小物や壁のプレートや写真があり、どこを切り取ってもレトロ感いっぱいでこの手のコレクションが好きなスタッフは目写りして集中できず…(こらっ!)

それとは逆に、ペンギンたちは役者として場数をふんできていますので、今回はカメレオンを探す真剣な表情とアクションで名演技でした。カメラをセッティングしてファインダーの中の2人(匹?)が目線を合わせると、本当に意志を持って話をしているように見えてくるのは私だけでしょうか? 小さな子どもの動物たちも一生懸命、たまに別の事をしている子もいますが(だれかな?探してみてください)、それはそれで毎回の楽しみです。我々スタッフもシャッターの瞬間、誰か落っこちていないか、よそ事をしていないか、目を光らせていないと…「あっ、また転んだ!」。とても手のかかる子たちです。
ペンギンたちとゆかいな仲間、さあ次回彼らがどこに行くのか、ぜひおたのしみに。

※「ぬくもりの森」
小さな森の中にちょっと曲がった形の可愛くて不思議な家が点在した場所。中世ヨーロッパのとある小さな村に迷い込んだような世界…。まるでおとぎの国にいるような穏やかで不思議な空間です。ぜひ一度、訪れてみてください。きっとその世界に引き込まれてしまうはず。そうそう、ホシザキカレンダーでいろいろなコーナーで撮影をしたので、「あっ、ここだ」と気がつけば、あなたもすでにペンギンマニアです。

 今回の撮影は愛知県新城市の乳岩峡(ちいわきょうと読む)という場所で行いました。ペンギンたちがカメレオンを探して森の中に迷い込むという設定でしたので、2月の中旬から山奥の針葉樹林の森にでかけて、昼なお暗い深い森の奥に分け入ってのロケ地探しをしました。近くには四季折々の自然が楽しめる鳳来寺山があり、鳴き声が「ウッ・コッー・コー:仏法僧」と聞こえるフクロウ「コノハズク」が生息するとの事、自然が残され、動物たちを守っているのだと感じるロケ地探しになりました。
あるスタッフはサルの群れと遭遇、3月とは言えまだ寒い山間部、えさを探して麓に降りてきたのか、はたまた人間が彼らの活動エリアに立ち入ったのか、、、。そのスタッフは怖くなり「ニカーッ」と作り笑顔でそーっとその場を退参したようです。

話を戻しまして、乳岩峡(ちいわきょう)の川沿いはご覧の通り。
大昔に海底から隆起した地層で川底が1枚岩で水の流れに削られて自然が作りだす美しい景観を残しています。乳岩の由来は大小の洞窟があり鐘乳石が垂れ下がっている事からこう呼ばれているとの事。
春まだ遠き季節に水の流れるせせらぎの音は清涼感より寒感を感じるのですが、、、。真夏にまた来るぞと誓うのは私だけではなかったと思います。

さらにキツイのは花粉症。今年は例年より多いと報道され、実際にロケハン時に花粉症スイッチが入ったらしく、スタッフ全員が今シーズンの花粉症を発症。
本番当日は寒さ防御、花粉防御のフル装備。ロケ地までの山道ですれ違う健脚の老夫婦に不審者に見られて通報されていないか心配でした。

さて本題ですが、
ペンギンたちはカメレオンを探して迷い込んでしまった森の中で、フクロウ(私はこのフクロウの生まれは鳳来寺山で名前は「コノハズク仏法僧」と言いたいのですが) の協力によりカメレオン探しの旅を進めるのですが、何しろ都会育ちの彼らは森の中は初めての経験。
性格が良く出ていて、自然を十分満喫しているモノからお母さんの体にしがみついて離れようとしない子供たちなど、いろいろいて大変です。
倒木の橋を渡る時など、いつ風にあおられて落ちるかと気がかりでした。案の定、突風で飛ばされる子もいましたが、若いスタッフの反射神経の良さでナイスキャッチ。水没を免れました。
そんな感じでカメレオン探しは大変な展開となってきました。
次号はどこに行くのか?ワクワク、ドキドキの展開となります。どうぞお楽しみに。

今回の撮影は愛知県安城市の「アクアレビュー」というアクアリウムのお店で行いました。

3回目の設定は、なんとペンギンたちがカメレオンを探して水の中まで行ってしまうという物語です。さてさて、無理な設定を可能にするスタッフはいろいろ調べ、早速お店を探して下見に行きました。

アクアリウムとは?「水槽の中に自然環境を再現するもの」とあります。実は熱帯魚屋さんのイメージを持って訪問したのですが、その「ネーチャーアクアリウム」の世界は感動モノでした。「水の中に美しい自然の風景が再現され、さらに熱帯魚がその森の中を泳いでゆく・・・。」岩や流木を配して水生植物と熱帯魚を育て、水槽の中に自然の美しさを表現する、まさにアートだと実感しました。美しい自然の風景に出合った時の様にずっと見ていて飽きず、京都の古寺の庭を見た時の様に心が洗われる感じでした。「気持ちが癒される」不思議の世界で、ファンが増えているのもうなづけます。

オーナーご夫婦のご厚意で撮影を快諾いただき、準備を始めました。水の苦手な子たちの水中装備の準備が大変でした。うまく潜れない子もいたので練習水槽にて夜遅くまで特訓が続きました。

さて撮影当日、ネイチャーアクアリウムのコンテスト「水草レイアウトコンテスト」に写真出品した素晴らしい水槽をお借りし、いざ本番。
練習の甲斐あって、スムーズにポジションについてゆく子たち。ここでびっくり、水中の掃除屋さんのエビ君たちが潜った子に一斉に集まるのです。痛がゆいのかと思いきや、割と平気な顔をしている彼らには役者魂を感じました。次にまた一人潜るとその子に集まり、興味がなくなると次の子にと、珍客に興味をもって歓迎するエビ君たちでした。
テスト撮影を繰り返し、ポジションOK。後は熱帯魚君がいいポジションに来てくれるまでシュートを繰り返しました。やはり生き物相手の撮影は根気が勝負でした。
結果はご覧の通り、オーナーご夫婦のご協力でおぼれる子もなく無事、撮影が終了出来ました、感謝。

ということで、ペンギンたちのカメレオン探しの旅もますますアドベンチャーの様相を呈してきましたが、この旅はいったいどこまで行ってしまうのか、スタッフも不安と期待でドキドキしています。それでは次号をお楽しみに。

今回の撮影は愛知県豊橋市の豊橋総合動植物公園「のんほいパーク」で行いました。

さて、4回目はどこに行くか?誰かが「水中に行ったのなら、次は空だ!」で、すぐに決まりました。が、「さあ、どうしよう」と途方にくれるメンバーたち。
周りが自然の緑で急に高い所、20階建のマンション屋上、山頂の通信用鉄塔など各所のロケハンの末、「のんほいパーク」の展望塔を思い出しました。想像通り、地上35mの展望フロアーからの風景は希望通りのロケーションでした。

「のんほいパーク」は広大な敷地に動物園(約170種の動物)・植物園(屋外植物園と温室)・遊園地(ジェットコースターや観覧車)・自然史博物館(恐竜化石と大型映像など)とファミリーで1日中楽しめる、自然いっぱいの総合施設です。

まず事前の下見。展望塔の屋上は展望フロアーより5m上でさらにそこまでの通路は非常階段と垂直階段が続き、屋上スペースは半径3mの扇型と狭い事が判明。何より垂直の建物なので屋上から1歩外は地上40m、落ちれば直下へ真っ逆さまです。雨の心配、風の心配、暑さ対策と過酷な撮影状況が予想されます。
ペンギンたちが空へ飛び出す準備も大変。気球、風船、パラグライダーなど未体験の挑戦にチャレンジしてもらえる様、慎重に装備を点検しました。

撮影当日、晴天。気温は連日35度の猛暑日。風は微風、午後から強くなる予報です。
地上40mの高所は遠くを見れば眼下に広がる緑とアフリカ園でのんびり草を食むシマウマ?が小さく見えてとても爽快なのに、展望塔の屋上の淵に立つとクラッとする恐怖の場所。カメラ、三脚、スタンドが所狭しと乱立する狭い屋上で奮闘。落下防止の安全帯をつけているのですが、すぐ交差するので外して動いたらつまずいて「おっとっと」と必死です。夏空の白い雲がいい位置の来るのを待ち、風が強いと止むのを待ったりと自然とも仲良くしないといい写真は撮れません。

ペンギンたちはプレッシャーもなく、十分楽しんでくれた様子でしたが、後日、スタッフは日焼けでたいへんでした。暑い中、立ち会っていただいた動植物公園のご担当様、本当にありがとうございました。

という事で、今回もアルバムは見つけられませんでしたが、さて次回こそはと意気込むペンギンたちです。どうぞお楽しみに。

いよいよ最終回です。撮影は 1回目と同じ「ぬくもりの森」で行いました。

シリーズの締めとしてふさわしい所は? やはり「ぬくもりの森」でした。
実は、スタッフもここに戻ってくるということを、
最初から決めていた様に思います。
童話「青い鳥」のチルチルとミチルが青い鳥を探して結局、我が家に戻ってくる様に ペンギンたちも1年間の冒険に旅立ち、再び古巣戻ってきたという安心感で、撮影に臨むことができると思いました。

それでも設定には思い悩むことも多く、カメレオンたちが地下室に逃げ込むという設定の光の表現と、実はカメレオンは悪人ではないという誤解を解くエピローグシーンの微妙な表情が出せるかがテーマでした。

撮影当日、ぬくもりの森に予定どおりに到着、いつもの担当さんにいつものごあいさつ。レストラン棟のキッチンの入り口でセッティング開始。

地下室の扉を開けるとそこには、まばゆく光輝くキャンドルのストリートが広がっている。
というシーン。重要な光の表現は、事前にキャンドルだけの光とグラスに入れたキャンドルの光をテストして、グラスの反射でよりきれいに輝くことを確認。キャンドルとグラスをめいっぱい準備して持ち込みました。
実際に火を灯して明るさを確認しながらのセッティング。そのキャンドルグラスの間にペンギンたちを配置。キャンドルの炎は結構熱く、気付かずに手をかざしてアッチ!なんてことも。ペンギンたちはカメレオンを探すのに懸命な表情。床のタイルに反射して光の演出は狙い通りのシーンとなりました。

ところであなたのカメレオンは
見つかりましたか?

今回でペンギン探偵団は最終回ですが
ペンギンたちはあなたのお家にも
突然現われたりするかもしれません、
楽しみに待っていてくださいね。

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