メニュー ヘルプ
akagai
◎分類
フネガイ目
フネガイ科
◎アカガイの仲間
サルボウ、サトウガイ
◎生息地
北海道南部〜九州、朝鮮半島
◎体長
約7〜12cm
◎おいしい時期
冬〜春
お店に戻る

血まみれの貝!? ブラッディー・クラム

英語名は“Bloody clam”。「clam」は「二枚貝」を意味する名詞ですが、「bloody」はちょっと物騒(ぶっそう)な形容詞。名の由来は肉の色ですから「血のような色の」と訳せば無難ですが、「血まみれの」と訳すこともできます。じっさい、貝殻を割ると赤い血が出るそうですから、この訳でもまちがいではなさそう。ヒトの血にもふくまれる赤い色素タンパク質・ヘモグロビンがアカガイの「赤」の正体です。

ひと味ちがうアカガイの巻きずし「ひもきゅう」

香り、味、見た目の美しさと三拍子そろったアカガイは貝のすしネタの王様。にぎりや刺身がおいしいのはもちろんですが、身から切り離された「ひも」とよばれる部分をいただくのもオツなもの。「ひもきゅう」は、この「ひも」ときゅうりをのりで巻いた巻きずしです。潮の香りがにじむ「ひも」とみずみずしいきゅうりとの相性はバツグン。身とはまたちがった味わいが楽しめます。

酸素が足りなくてもヘッチャラ

アカガイは、水深50mくらいまでのドロ底に生息しています。ドロがたまる所は水の流れがあまりないため、夏などにたくさんの有機物が一度に分解されてしまうと酸素不足になり、生物にとって厳しい環境となります。アカガイは赤い血(ヘモグロビン)を持っていて、たくさんの酸素を運ぶことができるので、酸素が少しくらい足りなくなってもたえることができます。しかし、近年ではアカガイの生息環境が悪化していて、さすがのアカガイでも生きていくのが困難な場所が増えています。

アカガイのようでアカガイでない二つの貝

血液中にヘモグロビンをふくむサルボウ、サトウガイは、アカガイと同じフネガイ科の仲間です。サルボオ(猿頬)の名は、その身が猿の頬(ほお)のように赤いことから。サトウガイは、幕末から明治にかけて日本で活躍したイギリス人外交官、アーネスト・サトウにちなんだ名。日系人のような名ですが、「サトウ」はドイツ系英国人の名字とか。ともに身の赤いこの二つの貝、高価なアカガイの代用品にされることも多いようです。